MATERIALS OTISが取扱う
主な材料について

OTISが取り扱う様々な材料の特性について紹介いたします。

フィルム

  • フィルムとは

    樹脂材料を薄い膜状に成型したもの。一般的に200~250μ以下。薄いものを「フィルム」、厚いものを「シート」と慣例的に区別する。ロール状のものを「フィルム」、切り出したものを「シート」とそれぞれ呼称される場合もある。

  • 主な製造方法

    溶融押出成型法
    熱可塑性樹脂をフィルム化する一般的な方法。加熱した溶融状態の樹脂を、押し出し冷却工程を経て成型する。
    延伸
    合成樹脂を、ある程度の加熱をしながら一定方向に引き揃えると分子が変形方向に並び強度が増す性質を利用して、フィルムを一軸方向または二軸方向に引っ張る加工。ポリエステル・ポリプロピレン・ナイロンなど耐薬品性や透明性の向上も図れる。延伸する際に熱量が必要以上かかると、延伸フィルムは収縮する。この特性を利用し、緩やかに巻きつけたフィルムに熱を加えて縮ませ、梱包物を固定させるものは「シュリンクフィルム」と呼ばれる。一方、高熱下で延伸したものは熱寸法安定性を活用する熱固定がある。
    多層加工法
    共押出法、ラミネート法、ヒートシール等で2種類以上のフィルムを重ね合わせる。
    表面処理
    コロナ処理、プラズマ処理、化学的処理、マット処理等。フィルムの表面改質で印刷や別部材との接着力を上げる。
    コーティング
    ウェット・ドライ、メッキ、スパッタリング等。特定の機能を持つ層を付着させる。
  • 主に使用する基材種類

    種類 特徴 比重 常用耐熱温度
    PET(ポリエチレンテレフタレート) 機械的強度、耐熱性、透明性に優れコストとのバランスが良い 1.27~1.4 70~180
    OPP(無延伸PP) 防湿性に優れる 0.9 120
    CPP(二軸延伸PP) 耐熱性、ガスバリア性に優れる 0.9 130
    PE(ポリエチレン) 密度により、LDPE・HDPE等に分類され、ヒートシール性が良い 0.9 70~110
    PC(ポリカ) 耐衝撃性、耐熱性、透明性に優れる 1.2 120
    PI(ポリイミド) 超耐熱・超耐寒・難燃・絶縁性に優れる 0.4 300
    PMMA(アクリル) 透明性が高く、光学的性質に優れる 0.2 80~90
    PTFE(フッ素) 非粘着、耐薬品、耐候、防汚、耐熱、滑り性に優れる 1.7~2.2 260
    PA66(ナイロン) 耐衝撃性、耐薬品、耐熱、滑り性に優れる 1.1 100
    PVC(塩ビ) 印刷適正(表面エネルギーが高い)が良い 1.45 60~80

    ※銘柄により異なる

微粘着フィルム

  • 微粘着フィルムの構成

    基材の片面に粘着材が塗工されている。粘着材の露出面に剥離ライナーをラミネート、もしくは基材の背面に処理層を設けているものがある。基本的に片面テープと同じ構成。

  • 微粘着フィルムの用途

    用途・タイプ 特徴
    キャリア・位置決め 製品のキャリア・位置決め用途で用いられる。
    保護 製品のキャリア・位置決め用途で用いられる。
  • 微粘着フィルムの粘着材種類

    種類 特徴 特徴
    アクリル系 透明性、耐熱性、耐候性に優れいる。粘着力のレンジが広い。 低温環境下ではつきにくい
    シリコーン系 耐熱、耐寒、耐久、耐薬品性に優れる。濡れ性が高い。 強粘着性が出しにくい。価格が高い。凹凸面には不向き。
    ウレタン系 濡れ性が高く、シリコーンの移行がない。 強粘着性が出しにくい。価格が高い。凹凸面には不向き。
    両面テープ・片面テープは粘着力が4N/20㎜以上あるものが多いのに対し、微粘着フィルムは1N/20㎜以下のものが多い。
  • 微粘着フィルムの基材種類

    通常ラインナップでは基材の選択肢が少なく、PET・PP・HDPE・LDPE・PVCにほぼ限定される。

両面テープ

  • 両面テープの構成

    基材の両面に粘着材が塗工。粘着材の露出面に剥離ライナー(セパ)が付いている。はく離ライナーの素材は紙・PETが多く、片面はく離処理、両面はく離処理されたものがある。

  • 両面テープの用途

    用途・タイプ 特徴
    一般用 紙、各種プラスチック、金属など幅広く使用可能
    超強力 高い粘着力で重量物の固定、耐熱性、耐候性等に優れる
    シリコーン接着 耐熱、耐寒、耐久性に優れたシリコーン系粘着剤を使用。シリコーン素材に密着しやすい。
    薄手 電子機器部品等、薄型化を求められる箇所への固定に使用。
    透明 透明な素材とのラミネート等で使用。
    遮光 黒色で、カメラ部材等、遮光が要求される箇所で使用。
    防水 濡れる箇所や、各種電子機器の水侵入防止で使用。
    導電性 粘着剤・基材に導電性のある材質を含有し、各種電子機器のシールド・グラウンディングに使用。
  • 両面テープの粘着剤種類

    種類 長所 短所
    アクリル系 熱や紫外線で劣化しにくく、幅広い用途で使用可能 低温環境下ではつきにくい、プラスチック系被着体につきにくい
    シリコーン系 耐熱、耐寒、耐久、耐薬品性に優れる 強粘着性が出しにくい、価格が高い
    ゴム系 被着体を選ばず、粗面にもよくつく、低温でも比較的つきやすい 光や熱に弱く劣化しやすい
  • 両面テープの基材種類

    種類 特徴 長所 短所
    不織布 織られていない布、ティッシュに近い質感 柔らかく、追従性が良い、安価 引張強度が低い
    フィルム PP,PET等種類が多岐にわたり性質が異なる 引張強度が高い、透明性・平滑性が高い 粗面接着性が良くない
    発泡体 PE,PU,アクリル,ブチル等があり、性質が異なる 柔軟性・強度が高く変形に耐える、振動吸収効果がある 耐熱性が低い、高価
    金属箔 アルミ、銅、SUS等の箔材 導電性、熱伝導、高強度で機能性が高い 高価
    基材レス 基材が無く、粘着材のみの構成 粘着材のみで基材の屈折率調整がない為、透明性がある リワーク性が良くない

片面テープ

  • 片面テープの構成

    基材の片面に粘着材が塗工されている。粘着材の露出面に剥離ライナーをラミネート、もしくは基材の背面に処理層を設けているものがある。

  • 片面テープの用途

    両面テープ同様に様々な用途で使用され、基材・粘着材も両面テープと同様。
    両面テープと異なる点は絶縁・マスキング・梱包用途で使用される。

    用途・タイプ 特徴
    マスキング 塗装を避けたい箇所に貼り付け、剥がす際に糊残りしにくく耐熱性もある。
    絶縁 電子部品の絶縁、固定に用いられる。
    遮光 黒色で、カメラ部材等、遮光が要求される箇所で使用。
    薄手 電子機器部品等、薄型化を求められる箇所への固定に使用。
    導電性 粘着剤・基材に導電性のある材質を含有し、各種電子機器のシールド・グラウンディングに使用。
    耐熱 仮固定、部品保護に用いられる。

セパレーター

  • セパレーターの構成

    紙やフィルムを基材とする剥離紙・剥離フィルムがある。それぞれの表面には剥離剤が塗工されており、剥離剤が基材に染み込まない様にバリア層が設けられる。

    帯電防止機能が付与されたものや両面離型処理されたものもあり、用途に応じて使い分ける。

  • セパレーターの用途

    用途・タイプ 特徴
    キャリア・位置決め 製品のキャリア・位置決め用途で用いられる
    台紙 製品の保持用途で用いられる
    工程内保護 加工工程内で粘着面の保護用途で用いられる
  • セパレーターの離型剤種類

    種類 長所 短所
    シリコーン系 対アクリル機用として刺離力のレンジが広く、
    ラインナップも豊富。
    シリコーンの移行により粘着材の接着力が低下しやすい。
    シリコーン系粘着材には使用不可。
    フッ素系 対シリコーン系粘着材に使用可能 重剥離グレードが無くラインナップが少ない。価格が高い。
    非シリコーン系 シリコーン移行対策が可能 軽刺離グレードのラインナップがない。

発泡体

  • 発泡体とは

    合成樹脂中にガスを細かく分散させ、発泡状(フォーム)または多孔質形状に成形されたもの。基本的にどの合成樹脂も発泡成形させることは可能。成形性や性能、価格が影響し、実用化されている種類は限られている。

  • 使用される主な合成樹脂

    主な原料合成樹脂は、ポリエチレン (PE)、ポリプロピレン (PP)、ポリウレタン (PUR)、ポリスチレン (PS)、ポリオレフィン、フェノール樹脂 (PF)、ポリ塩化ビニル (PVC)、ユリア樹脂 (UF)、シリコーン (SI)、ポリイミド (PI)、メラミン樹脂 (MF) それぞれの特性を生かした用途において発泡化され用いられている。

  • 発泡体の用途

    緩衝・防じん・防音・防振・耐水シール・遮光・断熱等の様々な用途で用いられる。材質・発泡種類・密度・厚みにより用途に合わせた仕様がある。

  • 発泡体の用語

    連続発泡:内部の空気が出入りしやすく、圧によってつぶれやすい。水分を含むことができるため、保水性の用途で使用できる。
    独立発泡:内部の空気が逃げにくく、汎発性に優れる。水分も通過しにくい為、防水用とで使用される。

金属箔

  • 金属箔とは

    金属材料を薄い膜状に成型したもの。一般的に200μ以下のものを指す。

  • 金属の種類

    下記5種類の中でも細かく様々な品種が存在しており、ステンレスだけでも100種類以上あるといわれている。製造方法(圧延・熱処理等)でも特性が異なる。

    種類 特徴 比重 ビッカース硬さ 熱伝導率
    ステンレス クロム量が10.5%以上含まれており、耐食性の高い鉄。 7.7~8.0 200~740HV 15~25W/m・K
    アルミ 熱伝導率が高く電磁波遮断性質もあり、放熱・電磁波シールドで使用。 2.7~2.85 20~100HV 15~25W/m・K
    熱伝導率が高く電磁波遮断性質もあり、放熱・電磁波シールドで使用。 8.24~8.94 80~270HV 60~350W/m・K
    亜鉛 常温では脆いが、約100 – 150 ℃の範囲のみで展性、延性に優れる。 7.14 120~160HV 113W/m・K
    ニッケル 光沢があり耐食性が高いため、めっきに使用。 8.89 100~200HV 67W/m・K
    チタン 貴金属並みの耐食性を持つ金属の中で、もっとも軽く安価な金属。 4.51 130~200HV 17W/m・K

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