樹脂材料を薄い膜状に成型したもの。一般的に200~250μ以下。薄いものを「フィルム」、厚いものを「シート」と慣例的に区別する。ロール状のものを「フィルム」、切り出したものを「シート」とそれぞれ呼称される場合もある。
種類 | 特徴 | 比重 | 常用耐熱温度 |
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PET(ポリエチレンテレフタレート) | 機械的強度、耐熱性、透明性に優れコストとのバランスが良い | 1.27~1.4 | 70~180 |
OPP(無延伸PP) | 防湿性に優れる | 0.9 | 120 |
CPP(二軸延伸PP) | 耐熱性、ガスバリア性に優れる | 0.9 | 130 |
PE(ポリエチレン) | 密度により、LDPE・HDPE等に分類され、ヒートシール性が良い | 0.9 | 70~110 |
PC(ポリカ) | 耐衝撃性、耐熱性、透明性に優れる | 1.2 | 120 |
PI(ポリイミド) | 超耐熱・超耐寒・難燃・絶縁性に優れる | 0.4 | 300 |
PMMA(アクリル) | 透明性が高く、光学的性質に優れる | 0.2 | 80~90 |
PTFE(フッ素) | 非粘着、耐薬品、耐候、防汚、耐熱、滑り性に優れる | 1.7~2.2 | 260 |
PA66(ナイロン) | 耐衝撃性、耐薬品、耐熱、滑り性に優れる | 1.1 | 100 |
PVC(塩ビ) | 印刷適正(表面エネルギーが高い)が良い | 1.45 | 60~80 |
※銘柄により異なる
基材の片面に粘着材が塗工されている。粘着材の露出面に剥離ライナーをラミネート、もしくは基材の背面に処理層を設けているものがある。基本的に片面テープと同じ構成。
用途・タイプ | 特徴 |
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キャリア・位置決め | 製品のキャリア・位置決め用途で用いられる。 |
保護 | 製品のキャリア・位置決め用途で用いられる。 |
種類 | 特徴 | 特徴 |
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アクリル系 | 透明性、耐熱性、耐候性に優れいる。粘着力のレンジが広い。 | 低温環境下ではつきにくい |
シリコーン系 | 耐熱、耐寒、耐久、耐薬品性に優れる。濡れ性が高い。 | 強粘着性が出しにくい。価格が高い。凹凸面には不向き。 |
ウレタン系 | 濡れ性が高く、シリコーンの移行がない。 | 強粘着性が出しにくい。価格が高い。凹凸面には不向き。 |
両面テープ・片面テープは粘着力が4N/20㎜以上あるものが多いのに対し、微粘着フィルムは1N/20㎜以下のものが多い。 |
通常ラインナップでは基材の選択肢が少なく、PET・PP・HDPE・LDPE・PVCにほぼ限定される。
基材の両面に粘着材が塗工。粘着材の露出面に剥離ライナー(セパ)が付いている。はく離ライナーの素材は紙・PETが多く、片面はく離処理、両面はく離処理されたものがある。
用途・タイプ | 特徴 |
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一般用 | 紙、各種プラスチック、金属など幅広く使用可能 |
超強力 | 高い粘着力で重量物の固定、耐熱性、耐候性等に優れる |
シリコーン接着 | 耐熱、耐寒、耐久性に優れたシリコーン系粘着剤を使用。シリコーン素材に密着しやすい。 |
薄手 | 電子機器部品等、薄型化を求められる箇所への固定に使用。 |
透明 | 透明な素材とのラミネート等で使用。 |
遮光 | 黒色で、カメラ部材等、遮光が要求される箇所で使用。 |
防水 | 濡れる箇所や、各種電子機器の水侵入防止で使用。 |
導電性 | 粘着剤・基材に導電性のある材質を含有し、各種電子機器のシールド・グラウンディングに使用。 |
種類 | 長所 | 短所 |
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アクリル系 | 熱や紫外線で劣化しにくく、幅広い用途で使用可能 | 低温環境下ではつきにくい、プラスチック系被着体につきにくい |
シリコーン系 | 耐熱、耐寒、耐久、耐薬品性に優れる | 強粘着性が出しにくい、価格が高い |
ゴム系 | 被着体を選ばず、粗面にもよくつく、低温でも比較的つきやすい | 光や熱に弱く劣化しやすい |
種類 | 特徴 | 長所 | 短所 |
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不織布 | 織られていない布、ティッシュに近い質感 | 柔らかく、追従性が良い、安価 | 引張強度が低い |
フィルム | PP,PET等種類が多岐にわたり性質が異なる | 引張強度が高い、透明性・平滑性が高い | 粗面接着性が良くない |
発泡体 | PE,PU,アクリル,ブチル等があり、性質が異なる | 柔軟性・強度が高く変形に耐える、振動吸収効果がある | 耐熱性が低い、高価 |
金属箔 | アルミ、銅、SUS等の箔材 | 導電性、熱伝導、高強度で機能性が高い | 高価 |
基材レス | 基材が無く、粘着材のみの構成 | 粘着材のみで基材の屈折率調整がない為、透明性がある | リワーク性が良くない |
基材の片面に粘着材が塗工されている。粘着材の露出面に剥離ライナーをラミネート、もしくは基材の背面に処理層を設けているものがある。
両面テープ同様に様々な用途で使用され、基材・粘着材も両面テープと同様。
両面テープと異なる点は絶縁・マスキング・梱包用途で使用される。
用途・タイプ | 特徴 |
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マスキング | 塗装を避けたい箇所に貼り付け、剥がす際に糊残りしにくく耐熱性もある。 |
絶縁 | 電子部品の絶縁、固定に用いられる。 |
遮光 | 黒色で、カメラ部材等、遮光が要求される箇所で使用。 |
薄手 | 電子機器部品等、薄型化を求められる箇所への固定に使用。 |
導電性 | 粘着剤・基材に導電性のある材質を含有し、各種電子機器のシールド・グラウンディングに使用。 |
耐熱 | 仮固定、部品保護に用いられる。 |
紙やフィルムを基材とする剥離紙・剥離フィルムがある。それぞれの表面には剥離剤が塗工されており、剥離剤が基材に染み込まない様にバリア層が設けられる。
帯電防止機能が付与されたものや両面離型処理されたものもあり、用途に応じて使い分ける。
用途・タイプ | 特徴 |
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キャリア・位置決め | 製品のキャリア・位置決め用途で用いられる |
台紙 | 製品の保持用途で用いられる |
工程内保護 | 加工工程内で粘着面の保護用途で用いられる |
種類 | 長所 | 短所 |
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シリコーン系 |
対アクリル機用として刺離力のレンジが広く、 ラインナップも豊富。 |
シリコーンの移行により粘着材の接着力が低下しやすい。 シリコーン系粘着材には使用不可。 |
フッ素系 | 対シリコーン系粘着材に使用可能 | 重剥離グレードが無くラインナップが少ない。価格が高い。 |
非シリコーン系 | シリコーン移行対策が可能 | 軽刺離グレードのラインナップがない。 |
合成樹脂中にガスを細かく分散させ、発泡状(フォーム)または多孔質形状に成形されたもの。基本的にどの合成樹脂も発泡成形させることは可能。成形性や性能、価格が影響し、実用化されている種類は限られている。
主な原料合成樹脂は、ポリエチレン (PE)、ポリプロピレン (PP)、ポリウレタン (PUR)、ポリスチレン (PS)、ポリオレフィン、フェノール樹脂 (PF)、ポリ塩化ビニル (PVC)、ユリア樹脂 (UF)、シリコーン (SI)、ポリイミド (PI)、メラミン樹脂 (MF) それぞれの特性を生かした用途において発泡化され用いられている。
緩衝・防じん・防音・防振・耐水シール・遮光・断熱等の様々な用途で用いられる。材質・発泡種類・密度・厚みにより用途に合わせた仕様がある。
連続発泡:内部の空気が出入りしやすく、圧によってつぶれやすい。水分を含むことができるため、保水性の用途で使用できる。
独立発泡:内部の空気が逃げにくく、汎発性に優れる。水分も通過しにくい為、防水用とで使用される。
金属材料を薄い膜状に成型したもの。一般的に200μ以下のものを指す。
下記5種類の中でも細かく様々な品種が存在しており、ステンレスだけでも100種類以上あるといわれている。製造方法(圧延・熱処理等)でも特性が異なる。
種類 | 特徴 | 比重 | ビッカース硬さ | 熱伝導率 |
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ステンレス | クロム量が10.5%以上含まれており、耐食性の高い鉄。 | 7.7~8.0 | 200~740HV | 15~25W/m・K |
アルミ | 熱伝導率が高く電磁波遮断性質もあり、放熱・電磁波シールドで使用。 | 2.7~2.85 | 20~100HV | 15~25W/m・K |
銅 | 熱伝導率が高く電磁波遮断性質もあり、放熱・電磁波シールドで使用。 | 8.24~8.94 | 80~270HV | 60~350W/m・K |
亜鉛 | 常温では脆いが、約100 – 150 ℃の範囲のみで展性、延性に優れる。 | 7.14 | 120~160HV | 113W/m・K |
ニッケル | 光沢があり耐食性が高いため、めっきに使用。 | 8.89 | 100~200HV | 67W/m・K |
チタン | 貴金属並みの耐食性を持つ金属の中で、もっとも軽く安価な金属。 | 4.51 | 130~200HV | 17W/m・K |