過去、ほとんどの補聴器には空気亜鉛電池(一次電池)が採用されていました。
近年は、補聴器やイヤホンに使われている電池が
充電式のリチウムイオン二次電池へ急速に移行しています。
補聴器は、日常生活で使用されています。少しでも聞き取りやすくするために、
周囲の雑音を低減させて会話を聞きやすくする機能や、
前方向の音だけ大きくする(指向性)機能などがあります。
イヤホンは、音楽プレイヤーやスマホなどに繋がる音響器機です。
市場予想では、Bluetoothイヤホン の格段なる進化と売れ行きにより、
4年後には、補聴器の50%以上が充電式のリチウムイオン電池になるとのことですが、
直近の動きからするともっと早まりそうな雰囲気があります。
過去のブログ「ワイヤレス市場」もご確認下さい。
注目される全個体電池とオーティスのフィルム製品加工
さて、IoT社会のニーズに必要な
充電池、さらに、電気自動車用(EV)の充電バッテリー向けの需要が
現在世界では、注目されています。
現在の主流であるリチウムイオン電池は電解液を使用しますが、
液漏れ及びそれに伴う発煙・発火の危険性があることや
小型化がしにくいことなどがあり、特に電気自動車用については限界があるそうです。
NEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)が
2010年に作成した二次電池(充電池)技術開発ロードマップでは、
2030年頃までに普及すべき革新二次電池の候補として全個体電池があげられていましたが、
現在、まさにその開発競争に世界が動いています。
NEDO情報
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100968.html
全個体電池は電解液も固体であるため
発火の危険性が少ないことや、出力特性を高められること、
充電時間も現在のリチウムイオン電池に比べて格段に早めることができます。
さらに小型化も可能になります。
IoT分野では, FDKが先だって2020年度中に月30万個規模の生産体制を整備し、
2022年度には月200万個規模とする計画を2020年6月23日に発表しました。
FDK HP情報
https://www.fdk.co.jp/whatsnew-j/release20200623-j.html
その他、TDK、村田製作所、Maxell、などが既に量産体制を構築し始めています。
長時間使用可能なワイヤレス・イヤホン用などの全個体電池は
近々大量に出回ると思われます。
身に着けるものには、発煙・発火しないことは重要となります。
医療機器分野へも発展することでしょう。
電気自動車分野では、トヨタ自動車が主体となって、
パナソニック、東芝、中国電池メーカーなどと連携して
電気自動車用の全個体電池開発を発表しています。
また、世界の二次電池業界で勝ち残るにはひとつの工場で
20GWh/年の生産能力がなければ勝ち残れないとも言われています。
電気自動車の世界では、同時並行して、水素燃料電池車の開発も行われていますが、
水素の保存法、充填ステーションの拡充化、再充填の手軽さ、価格、走行距離など、
まだ課題が多く実現の時期がなかなか見えてきません。
従い、全個体電池の技術革新が急速に進み、
2030年にはガソリン車が大幅に減っているかもしれません!
リチウムイオン二次電池で使われるフィルム製品としては、絶縁があります。
フィルム加工、テープ加工のオーティス株式会社では、
絶縁フィルム加工の量産実績がございます。
現在、絶縁フィルムとして、以下のようなフィルムが主になっております。
PETフィルム、用途例:トランス・コイルの層間・外装絶縁用。
PENフィルム、用途例:モーター用絶縁材用。
PEIフィルム、用途例:トランス用、絶縁テープ用。
PI フィルム、用途例:Li-ion2次電池の電極絶縁用。
各々のフィルムにはそれぞれ耐熱区分や絶縁区分があります。
その他、新規素材加工にもチャレンジします!
フィルム加工、テープ加工のオーティス株式会社では、
今回のブログ内容の全固体電池に提供できるシート材も革新的にご提案できます。
何なりとご要望、お問い合わせお願い致します。